心付け 【平成28年6月1日】
【はも/ふぐ/クエ鍋/寿司/柳家】
「スミマセン。
チップハ、ドウスレバ、ヨイデスカ?」
過日、海外から観光で来店された御客様より、日本での(チップ)の習慣についてお尋ねがありました。
そう言えばここ最近、とんと(チップ)(心付け)(寸志)と言う風習が廃れてきているように感じられます。私も含め皆様も近頃(心付け)をされたことはあるでしょうか?
私達世代迄は、(心付け)・
形にした気遣い・が風習の様なことでもあり、心配り、気配りが大切なこと
だと、親からしばしば教えられました。
冠婚葬祭での世話方さんや其の他お世話になった方々へのお礼。そして身近な所では旅館に宿泊した際の仲居さんへや、タクシーを利用した時の少額の釣銭、お食事処での気持ちのいい接客を受けた時などです。
私がこの商いに携わり始めた頃は
粋な旦那さん・紳士・淑女より多くのお心遣いを賜り、和らいだ気持ちになりました記憶がございます。時にはタバコ代やコーヒー代、菓子代として、暑さの厳しいときには冷たい飲み物代としてなど・・・。そして、ぽち袋などを使用され、お洒落に振る舞われておられました。
私どもの喜びは、お客様からの「美味しかった」や「ありがとう」の御言葉が最上ですが、その気持ちを形に表して下さる(心付け)も大変嬉しいものでした。
聞くところによりますと、其の昔、とあるお店の接客担当の方たちの給料制度は今と違い、生活する上で(心付け)が重要であったそうです。
アメリカなどではチップは生活する上で今でも重要だそうですね!
高級料理店(高価各店)やホテルのレストランを除いて、多くの飲食店では表示価格以外にチップを支払う制度は現在ありません。
チェーン展開のお店の型にはまった接客は少しやり過ぎ感は否めませんが、ほとんどの飲食店では、お客様に対し最上のサービスを心掛けております。そしてそれらにはサービス料なるものは含まれておりません。
これぞ、お・も・て・な・し・!
そして、プライスレス!! どこかで聞いたフレーズですね・・・!!!
昨今、私達の生活では(チップ)の習慣は廃れており、何だかひとつのコミュニケーションが失われた感があって、余裕、ゆとり、と言う大事な心も薄らいできているように思われます。
何故なのでしょう・・・・?
割り切った制度、決められた事だけでは生活に潤いが無くストレスが溜り、人間が小さくなっていくような気がいたします。
「お客様は神様です」は某歌手のうたい文句ですが、お店側は驕らず、お客様も過剰な事を求めすぎないバランスの取れた気持ちの良いコミニュケーションのある商い、生活を送りたいものっですね。
とは言え、お客様、くれぐれもお気遣いのないように!!!
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