電話でのご予約・お問い合わせはTEL.075−221-1327
〒604-8083 京都市中京区三条通富小路東入中之町23
みなさんは外食する際、お箸について注目されたことはありますか?
定食屋さんに、ラーメン店、老舗の懐石料理店やお寿司屋さん、そしてふぐ料理店・・・
其の他にも沢山のお料理屋さんがありますが、一部のお店を除き、たいていお食事される際にはお箸を使いますよね!
最近では、マイ箸持参のお客様もおられ、環境に関心のある方々も増えてきました。
私は長年料理店の商いをしておりますので、当たり前のように感じておりましたが、割り箸の生産について、思い違いをされておられる方々がおられますので、失礼ながら筆をとらせていただきました。
昨今、テレビなどで割り箸生産における環境破壊が取り上げられる番組もあり、
環境問題に敏感な方々は問題視されておられることと思います。
それらは割り箸生産の為に、自然林を伐採して原木一本まるごと割り箸用に加工され、
物によっては化学薬品を使用して製品に仕上げます。
竹を使用した割り箸も同様に薬品処理される製品も多く、健康を害する恐れが懸念されます。
では何故、そのようにしてまで、環境を破壊したり、薬品漬けの割り箸が製品化されるのでしょうか?
それは価格です。
手つかずの原生林、原木を伐採加工すれば原価は掛かっていません。(土地の購入や開発に関してはいろいろな利権が絡んでいるでしょうし、お金は動いてはいるのでしょうが・・・)
故に低価格にて飲食店や大手スーパー、コンビニ、チェーン店に販売でき、それらは大抵、お箸をお客様に無料で提供されますので、低価格のほうが利益になります。
消費者も割り箸代を払うことに抵抗があるでしょうし、無料であれば納得しているのが現実だと思います。
先日、中国の上海から来られたお客様に、私のお店でお使い頂いている割り箸の事についてお話し申し上げましたところ、驚き、関心されておられました。この事は同様に三十年以上日本にお住まいのイギリス人の友人にも当てはまり、我々が皆さんにお伝えしなくてはならないと思い至った次第です。
京都では長年、奈良県の吉野で生産されている杉材やひのき材の間伐材を使用した割り箸を使用しています。そう、それらは文字どおり、生産されています。
山に苗木を植林し、時期を見て間伐、残した木々を製品にするために沢山の手間と時間をかけ手塩にかけて育てます。
間伐材は用途に分けて利用し、それらすべてに事業が営まれております。すべての分野がうまく回ってこそ山が綺麗に保たれるのです。
一部の分野が顧みられないと山は保たれず、災害時などに災いをもたらすこともあり、そして美しくない山は大変淋しいものです。日本国土はその大部分を山、森林が占めており、それらの環境は日本にとって非常に大切な事であります。
私達飲食を生業とする事業者は、小さなことではありますが、それらの為にも少々価格が違えども林業従事者の生産されている割り箸を利用することで、環境保全、生産者応援の後押し、そして日本の山、森林の保護の一端を担えればと思います。
http://www.town.yoshino.nara.jp/about/sangyo/hashi/
http://www.shokokai.or.jp/29/294441Sp627/index.htm
おつきあい
朝、玄関を出れば、お向かいさんやお隣さん、ご近所の皆さんと出会います。
そして、目と目が合えば「おはようございます。」や「おはようさんです。」と、ご挨拶。
先様がお気づきになられていないようでしたら、軽く会釈か、大きくはっきりとした声で再度、挨拶。(これができる人は実直明朗な方)(大抵は、気が付いてもらえないと、そのままにしてしまいがちです・・・。)
我々、飲食店を営んでいたり勤めていたりする場合、市場へ買い出しに行けば、仕入先、同業者さんたちと朝のご挨拶をいたします。そしてお店へ戻れば家族、同僚、従業員さんとの挨拶があり、今日一日の仕事が始まります。大方のお店ではこのような感じのスタートでしょう。これは諸先輩たちの時代もそう違いはなかったものと思われます。今日、色々変化が多く、ついてゆけない事もありますが、「「挨拶」」は昔から変わらない習慣の一つでしょう。(ここでは習慣と言わせていただきます。)(たまに挨拶するのが苦手なお人もおられますが、温かく見守りましょう。)
この様に、ご挨拶を始めとして人と人とのつながり、「「おつきあい」」は、始まります。
この「「おつきあい」」ですが、いろいろなおつきあいがありますね。小さな(少人数)ものから大きな(多人数)ものまで・・・。そう、向こう三軒両隣、町内会、自治会、何とかクラブ、なんとか組合、なんとか会議etc・・・。
現在でも会員諸氏がご活躍され盛況な会もあれば、会員の減少で運営を四苦八苦されて円滑に進行しづらく課題山積な会もあります。発会当初はそんな危惧は思いもよらなかったでしょう。10年ひと昔。多様に変化し続ける現代では、相互扶助をモットーとする事が難しい時代ですよね!
「他人の不幸は蜜の味。」「隣の芝生は青く見える。」「同業者といえ、皆ライバル。」「会とは利用するもの。」「我々の会は特別な会。」と思いがちですが、せっかくお近づきになれたのですし、仲良く、おつきあいしようじゃありませんか。危ない橋を渡るものあれば注意し、又、互いの成功の喜びを分かち合い、一緒になって遊んだりして・・・。
なが〜〜〜〜〜い、おつきあい(何とか銀行の宣伝みたいですが)して、皆で楽しく。
そして、そのつながりが横につながり、ななめでもかまいません。つながり、つながって行くと、HAPPYな生活が送れると思うのですが。(HAPPYなんて安直ですみません)
ちょっとしたお声がけ。そんな些細な事から交流が生まれ、「「おつきあい」」が始まり、なんとか会への理解が得られれば、皆さん(非会員)の参加の希望が持てるのではないでしょうか。
おつきあいするのは時間と労力を使い、大変なこともあり、悲観的に思われることもありますが、それ以上に人生においての調味料になるものと・・・。
これからおつきあいを始めようかと少しでも思われます方々にお伝えしたく存じます。
和食とは
農林水産省によりますと、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは
平成25年12月になります。
「和食」には4つの特徴がありまして、
@ 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
(各地域に根差した食材など)
A 健康的な食生活を支える栄養バランス
(一汁三菜を基本としたスタイル)
B 自然の美しさや季節の移ろいの表現
(四季に応じた設えなど)
C 正月などの年中行事との密接な関わり
(家族、地域との絆)
以上のような特徴なのですが、お料理の仕事を始めましてから現在に至るまで、なんとなく、もやもやと感じ取り自然と身についてきたような、ないような、心持ちでありますが、改めて文字、文章で表されますと、日々の仕事に対して真摯に向き合え、思い入れも込められます。
とは言いましても、具体的には記されておりませんので、料理、調理方法などは、人、それぞれ。思いを込めてお料理に取り組んでいるのは皆、同じでしょうが・・・。
「和食」イコール、日本料理
「和食」イコール、日本での提供されている食事
「和食」イコール、アジアの中の日本での料理
昨今海外から大勢の旅行客が日本にお越しになられています。いわゆるインバウンドという経済効果を伴って。
もちろんお越しになられている皆々様は、お食事無しでお過ごしになることはなく、日本でお料理をお召し上がりでしょう。
三食全て、お泊りのお宿で済まされるお客様は少なく、ほとんどのお客様は外食をされておられますが、多くのお客様は日本食「和食」を一度はトライしようと試みておられることと思われます。
しかし、海外からのお客様の思っておられる「和食」と、我々が常日頃からお客様にご提供しておりますお料理「和食」とは、いささか、意見の相違があることが見受けられます。
某有名料理店紹介本に掲載されているお店は、「和食」店です。とご紹介しても、なんら双方相違はありませんが、海外での「和食」店の多くが、某有名料理店紹介本のようなお店は少なく、日本で提供されているお食事、アジアの中の日本でのお料理
をご提供されておられるのがほとんどのようです。(すべてではありません)
その様な状況なので、海外からのお客様の中には、すし屋でチャーハンや、焼きそば、カレーライスの注文をされたり、うどん屋さんでとんかつや、焼き鳥などを、当たり前のように注文されるのでしょう。
一度や二度の勘違いであればお店側としましても、丁寧な説明がお客様に出来ますが、度重なれば、気持ちの良いものではありませんね!
では、チャーハンや焼きそば、お好み焼き、とんかつ、焼き鳥、しかじかは「和食」ではないのかと言いますと、農水省の掲げる4項目には入りませんが・・・。それらは現在、わたくしたちの中では立派な普段の食事であり、日本人の平常時のメニューであります。
それらを海外からのお客様が混同されないような説明が今一つ、足りないようにも感じますし、双方ぎくしゃくしないような取り組みが必要でしょう。
ただ、いわゆる「和食」が上から目線で相違をあらわすのではなく、現在の我々の食事が多様化している中での、「和食」のありようが分かりやすく皆に浸透すれば、双方が心持ちよくなることと感じております。
また、多様なる宗教、文化圏の方々にも安心してお召し上がりいただけるお料理を、安全に提供することも必要でしょう。
2020年6月にはHACCPに沿った衛生管理が求められ、食品衛生の観点からも、我々日本は「食」に関してイニシアチブを取り進めてゆくことになります。
「和食」が名前だけの無形文化遺産でとどまるのではなく、世界各国の皆様に安全、安心して気持ちよくお食事していただけるよう努力し、「和食」の普及に取り組んでゆくことが必定でしょう。
副理事長
柳家 柳澤伸夫
〒604-8083
京都市中京区三条通富小路東入
中之町23
TEL.075−221-1327
FAX.075−221-1327